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「透哉くん、マドカって人とセフレだったんだ」
「…え?」
「ごめん。以前、2人で話してるの聞いちゃった。…その後も体育館で2人で居たって誰かが話してたから」
「……」
「でもそれを重々承知の上で透哉君と付き合ったのは、あたし。透哉君の事、本気で好きだって思ったから」
「……」
「前の男もねそんな感じだった。でも結局はあたしがお飾りで。だからね大人の男性に惹かれたの。でも、またあたしはお飾りだった。だからそんな事気にしてちゃ一緒に居れないよね?」
「……」
「だからごめん。なんか透哉君と重ねちゃう部分があって、上手く言えない」
芹奈先輩がそう思うのにも無理はないと思ってしまった。
俺もある程度適当にしてきた分が今になって、後悔を寄せる。
次第に目が潤んでくる芹奈先輩を見る事が出来ず、俺は胡坐を掻いたまま俯いた。
「…確かに俺はアイツとはセフレだった。でも今は違うしもう終わってる」
「透哉君、あたしに気使ってる?」
「は?何で?」
「あたしと付き合ってるから色んな女の人と揉めてる?ごめんね、あたし女ウケ悪いから」
「揉めてねーし、気も使ってねぇよ」
「じゃ、なんであたしを抱かないの?」
「…え?」
思わず顔を上げてしまった。
ジッと見つめて来る芹奈先輩は徐々に視線を落として、「ごめん」と呟く。
そして芹奈先輩は再び口を開いた。