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「正直、恐いよ。人間不信になりそうなくらい」
「……」
「あたしが高木にあんな事されたから気使ってんのかな、とも思うし」
「……」
「もしかしてあたしの他に何人か女居るのかなって思ったりもする。そう言う噂って、流れるの早いから」
「ってかそんな噂信じてんの?そう言う奴らってさ、ただネタがないだけで話してるだけだろ」
「……」
「先輩以外、女なんかいねーよ。言わなかったっけ、女出来たら他の奴とは出かけないって、」
「うん、聞いた。でも不安…ってごめん。別にこんな話しするつもりじゃなかったのに。ごめん、あたし帰るよ」
立ち上がろうとする先輩の手を俺は咄嗟に掴み、そのまま芹奈先輩を抱きしめた。
「まだ話し終わってねぇけど」
「……」
きっと芹奈先輩は居心地が悪いとでも思っているのだろう。
だけど俺にそんな事関係なかった。
「俺、どしたらい?どうしたら芹奈先輩、俺の事信じてくれんの?」
「……」
「俺は先輩の事、本気だけど。それが伝わるようにするにはどしたらい?」
抱きしめていた身体を離す。
戸惑っているような困っているかのように微かに震えているその唇に俺は自分の唇を重ね合わせた。
何度も重ね合わす唇の割れ目から舌を入れる。
絡まり合った舌に芹奈先輩の微かな吐息が漏れ、俺は徐々に先輩の身体を押し倒した。