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「ごめん、萌。切るね」
「え、ちょっ、芹奈ちゃん待って!晴馬君が――…」
焦ったようにプツリと切る芹奈に俺は顔を近づけ頬を寄せ合う。
「なんで言わなかった?素直にしてたって言えば良かっただろ」
「い、言えないよ、さすがに」
「なんで?」
「なんでって恥ずかしいでしょ」
「その恥ずかしい事、もっとする?」
「ちょ、透哉くん?」
グッと俺の身体を押した芹奈に、「透哉。な、」そう言ってすんなりと芹奈から離れた。
ベッドの横に無造作に散らばった下着をとり、俺はそのまま私服へと着替える。
「いつまで裸でいんの?やっぱりヤる?」
「しないよっ、」
「てか即答かよ」
フッと鼻で笑った俺に、慌てて芹奈は散らばっている制服を掻き集めた。
制服に着替えながら、「え、また萌だ」なんて呆れた声で呟く芹奈に思わず苦笑いになる。
「萌ちゃんち行く?」
「行かないよ。どーせ晴馬が虐めてるんでしょ。そー言う時はすぐ萌はあたし呼ぶから」
「でも行くんだ」
「行かない」
「え、行かねーのかよ」
「うん」
クスクス笑う芹奈に俺も笑う。
だけど次の日、正門付近で待っていた萌ちゃんに思わず苦笑いを漏らしたのは俺と芹奈だった。