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「芹奈先輩を自分のもんにしてんだからいいに決まってんだろ。ま、でもあれだな。お前、女に冷めてーからやっかいな女には気をつけろよ」

「はぁ?」

「芹奈先輩と別れて!って言うそんな女増えそう。むしろもう小百合に言われたんだっけ?」


ケラケラと笑うオサムは面白そうに声を出す。


「つか俺のクラスでもお前の話で持ちきりだけど」


修二までもが鼻でフッと笑って、俺に視線を送る。


「モテる男は辛いねぇ…。つかあの女よほど好きなんだな、先輩の事が」


オサムの笑い声が苦笑いに変わる。

再び顔を晴馬先輩に向けると、隣に居た女はガッツリと先輩の首に腕を回した。

上目遣いで晴馬先輩を見上げてる。

晴馬先輩の手は両手ポケットに入ってて…


「…ねぇキスしてよ」

「は?なんで?」

「したいから」

「あたし晴馬の事が好き。今から空き教室行かない?エッチしようよ。とか言ってんだろーな」


妄想で語るオサムに修二はケラケラと笑いだす。

ほんと、オサムは馬鹿だな。

そう思うと苦笑いが漏れてくる。


「あーあ、終わっちまった」


晴馬先輩が女の腕を振りほどいた所為でオサムは残念そうにする。

つか、俺らは一体何を見てんだっつーの。


はぁ…と一息吐いて視線を逆に向けると、丁度別の校舎から中庭を見つめる萌ちゃんが目に入った。


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