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「…あ、」

「え、何か言った?」


オサムが振り返り、「いや、」とだけ返す。

そりゃそうなるわな。

あんな中庭で誰もが視線行く場所で、あんな事してちゃ目が行くに決まってる。


つーか、先輩…

萌ちゃんガッツリ見てるんすけど。って言いに行きてーわ。


ココからの萌ちゃんの表情は分からないけど、きっと怒ってるに違いない。

むしろ呆れているか。

その萌ちゃんの隣に姿を現せたのが芹奈だった。


そして麻友先輩も姿を現す。

つか晴馬先輩、もう切りあげた方がよくね?なんて思いながら再び視線を送ると、もう一人、女が増えてる事に更に苦笑いが漏れる。

しかもベンチに座って両方から女に囲まれてる。


いや、すげーわ、あの先輩。

俺でも出来ねーわ。



「両手に華ってやつか。ま、断る理由ねーもんな」


オサムは観察するようにジックリと眺める。

断る理由ねぇ…


いや、あんだろ。


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