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「あ、サンキュー」
「ま、でも最近どうでもよくなってな」
「萌ちゃん?」
「まー…そんなとこ。だから他の女が寄ってきても断る理由なんかねぇじゃん?」
「は?けどお前、朝まで萌ちゃんと居たんじゃねーのかよ」
「そ、だから困ってんだよ。そう思ってても萌は切れねぇからよ」
「へー…」
「アイツ、2年のやつに告られてたしなー…」
「え、だれに?」
「知らねーよ!!」
「あ、なるほど。だから先輩その事で嫉妬してんだ」
「は?んな事、するか。ただ俺の時より笑み零して浮かれてるアイツにムカつくわ。告られて笑顔になんなっつーの」
「だからそれ嫉妬ってやつ」
「うるせーな」
俺に缶コーヒーを渡したかと思うと、先輩はポケットに手を突っ込んでそこからタバコを取り出す。
火を点けると再び、缶コーヒーを手にした。
「あ、ほら。噂してっと萌ちゃん発見」
ずっと目の先に萌ちゃんが居る。
なぜかソワソワしながら壁に隠れてその向こうを覗き込んでいる。
「は?あいつ何してんだよ、」
タバコを咥えたまま晴馬先輩が呟く。
そして通りかかった自動販売機の横にある吸い殻にタバコを捨てると、晴馬先輩は萌ちゃんの傍まで近寄った。