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「だから、あたしこの人と付き合ってるから――…」
「どーせ身体目的で付き合ってんのじゃねーのかよ、芹奈を隣に置いてるだけで男は喜ぶ――…っ、」
「つか、一発殴らせろよ」
俺は気づけば芹奈から離れ、そいつの胸倉を掴んでいた。
「と、透哉っ、」
つかさず芹奈の手が俺の腕を掴む。
「コイツ一発殴んねぇと俺の気が治まんねえわ」
「は?何で殴られなきゃいけねーんだよ」
「悪いけど、俺はお前とは違う」
「って俺の事なんもしんねーだろ」
「あぁ、知らねえよ。つか知りたくもねぇし。けど、知らなくても絶対お前とは違う。コイツを置物にしてんじゃねーよ」
「……」
「芹奈は俺のもんだから手だすなよ。つぎ何かあったら絶対殺す」
「はっ、なんだお前、」
バッと胸倉を掴んでいた俺の手をそいつは無理やり離すと、タンカを切ったまま背を向けて行く。
「…まじ殴っときゃ良かった」
アイツの背中に向かって小さく呟きため息を吐きだす。
「…透哉?」
「つか、いつから?」
「え?」
「いつからアイツに?」
「ホント最近だよ。3週間前とか…」
「俺に言えよ」
「うん、でも…」
「あー…うん、まぁ…」
だよな。
なんか似たような事、俺にもあったけど俺もなんも言ってなかったし、んな事言えねーか。
「うん?なに?」
「いや、それより凄げぇ視線感じっからこっち来い」
グッと芹奈の腕を引っ張ると、
「え、あっ、なに?――…って何で萌と晴馬がっ、」
2人に気付いた芹奈が慌てだす。
そして隠れるように更に奥に入った瞬間、俺は芹奈の唇を塞いだ。