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「…あれ?お前、裸で何してんの?」


クスクス笑った声で必然的に視線が向く。

ペットボトル飲み物を飲みながらやって来たのは派手な格好をした晴馬先輩だった。


「地獄のプリント」

「あー、あれか。俺もやったわ。職員室で」

「は?職委員室で?」


ありえねぇーと思いながらクスクスと笑いを漏らし、先輩は俺の隣に腰を下ろした。


「おー、なんか強制的に」

「強制的かよ」

「そー、だって俺、お前みたいに頭良くねーもん」

「は?よく言うよな。万年一位が」

「それはお前だろうが。俺は最近一位とってねーの」

「ふーん…」

「で、思い出したけど芹奈が図書室でお前のプリントしたっつーからマジびびるわアイツ」

「あー…昨日?」

「そう。たまたま駅で見掛けたから。声掛けようと思ったけど、お前は女に引っかかってたからな」

「あー…」


思い出したかのように笑う晴馬先輩の言葉に、余計にまた昨日の出来事を思い出してしまった。


「あ、そういやオサムからお前の代わりに女に会えっつー連絡来たけど、お前の代わりかよっ、」

「あー、なんかオサムが先輩紹介しとくっつってた」

「で、どんな感じ?女を見た感想は透哉に聞けって言われたから」

「はぁ?なにそれ」

「いや、聞いてから行くわ。お前の代わりだし」


晴馬先輩は態勢を変え、ベンチで胡坐を掻く。

そしてポケットから取り出したタバコを口に咥えた。


「感想っつっても会ってねーし」

「だから写メ」

「見ただけじゃ分かんねー、普通じゃね?」

「お前の普通はどうとったらいいのか分かんねーわ。それに俺、最近そー言うの面倒くせぇし」


ライターでカチッと火を点けた途端、匂いが辺りを増す。








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