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「つか晴馬先輩さ、芹奈先輩と出来てんじゃねーの?」
もう何を思ったのか直球勝負だった。
朝一に、修二が話してた言葉を思い出し。だからこそ、この人には一番聞きたかったことなのかもしれない。
「え、芹奈?なんで?」
案の定、晴馬先輩はタバコを咥えたまま不思議そうに俺を見る。
その視線から避けようと俺は再びプリントにペンを走らせる。
「そんな噂が流れてるみたいっすよ」
「あー…噂な。誰が流してんのか知んねーけど…芹奈ねぇー…アイツはねーわ」
「へー…何で?」
「なんで?」
オウム返しされる言葉に、何故か手が止まる。
俺は晴馬先輩に何を聞こうとしてる。
頭の中で考えて整理した結果。
「いや、お似合いっつってたから。周りが」
なんて適当な言葉を吐いたんだ。と自分に突っ込みたくなった。
「え、お似合いで付き合うか?むしろアイツとは腐れ縁だからねーわ」
「あー…腐れ縁ね」
「あ、ほら。お前も居んじゃん、えーっと理実」
「あー…」
「うん、そう。あんな感じ。それにアイツはハイスペック好きだかんな」
タバコを咥えたまま呆れた様に笑う晴馬先輩。
ハイスペックねぇ…
まぁ、あの人からすれば、ありなんだろうけど。
やっぱ俺には関係ねーわ。