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「なぁ、先輩。何か飯持ってきて」
「はぁ!?」
あまりの空腹さに俺はタバコの灰を落としながらコーラを口に含む先輩に言葉を吐き出す。
というよりも俺から話を振ったもののその話の内容を変えたかっただけだ。
「プリントの所為でメシ食う時間もなくて。腹減ったし、くそ暑いから倒れそう」
「お前なぁ、この俺を使うなんていい度胸だな」
「女、紹介したじゃねーかよ」
「お前からされてねーし、しかもお前の代わりだろーが」
「そんな怒んなよ」
タバコの灰を押し潰し、立ち上がった先輩に俺は視線を上げる。
と同時に「で、何がいいわけ?」案外優しい晴馬先輩に口角を上げた。
「え、マジで買ってきてくれんの?」
「じゃー行かねーよ」
「焼きそばパンで」
「もうそんなもん売り切れてんだろ」
「あと、珈琲と宜しく」
「お前、今度俺の言う事聞けよ」
「へーい」
ダルそうに歩いて行く晴馬先輩の格好はもはや制服の意味すらなくなってて。
白のTシャツに制服のズボンは脹脛まで折られ、裸足にサンダル。金髪に近い明るい髪は無造作に遊ばされてる。
もはやこの学校で一番の喧嘩っ早い男と呼ばれているほど浮いてる男だったりもする。
そんな晴馬先輩と仲良くなったのはテツと仲いい先輩繋がりだった。
その人と晴馬先輩の地元が一緒で。俺は学校が一緒だからという理由で、もう2年近く共にする感じになってた。