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「へい、お待ち」


目の前に置かれたチャーシューから熱気があがる。


「わぁ、ありがとうございます。美味しそう」

「どうぞ。ゆっくり食べな」

「はい戴きます」


手を合わせた先輩に、「いただきまーす」俺も手を合わせた。


「上手いよ、味は保証する」

「もう匂いから美味しそうだもん」

「だからさ、ここで飯食ってたまり場になんだよ。で、うるさくて怒られるっつーオチな」

「あはは。なんか透哉君らしいなー…」

「俺らしいって、なに?」

「うーん…なんだろ。分かんないけど、見た目と違って優しんだよ透哉君て。素っ気なくてもさ、人情がなければ長く来れないよね。何だかんだ言っておじさんに優しいもん」

「……」

「って、透哉くんの事、分かんないけど、あたしの推測」

「え、なに?推理作家かと思ったわ。なんかちょっとウケた」

「ちょっと全然ウケないでしょ!?真剣だったのに!」

「ごめん、ごめん。だって急に変なスイッチ入っから」

「だから変なスイッチじゃないから!」


真剣に怒ってる芹奈先輩に思わずクスクスと笑みを漏らしてしまう。

そんな俺に眉間に皺を寄せるものの、「あ、美味しい」さっきとは打って変わって笑顔になる。

そんな姿に頬が緩んだ。

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