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‘*。step3
一晩過ぎてしまうと昨日の事が夢現なんかじゃねーのか何て思ったりもした。
だけど、それを実感させるのは学校に着いてからで。
「おい透哉。お前、芹奈先輩と居たってマジ?」
朝一、俺の教室に来たオサムは真剣な表情で俺の顔を覗き込んだ。
「んー…」
まだ頭が眠ってる中、気怠い声を出す。
「見た奴が何人か居てすげぇ噂になってっけど、どー言う事?」
「つかなんでそんな噂になってんのか分かんねぇ…」
「何でって、お前あの芹奈先輩だぜ。硬派な年上狙いなのに何で年下のお前と居んのか訳分かんねーわ」
「……」
「つかどー言う経緯で?何があった?」
「……」
「いつから知り合ってた?俺に秘密で何してた?」
「……」
「おい、透哉聞けよ」
「飯食ってただけ」
「はぁ!?芹奈先輩と飯って…」
「……」
「もう朝一からすげぇ噂になってっぞ。芹奈先輩って年上派じゃないの?とか、お前に彼女居るんじゃなかったっけ?とかって。お陰で俺も聞かれまくってある意味有名人だわ」
「……」
「けど噂すぎて何が本当か分かんなくなってきたしよ。なぁお前聞いてんの?」
「あぁ」
オサムが興味津々で聞いて来る所為か、何故か周りの視線がきになった。
流す様に言葉を吐き、講堂へ向かう流れに沿って俺も立ち上がり足を進める。
「おーい、透哉待てよ。あーあ…俺の先輩が」
隣でため息を吐き捨てるオサムに俺は視線を横に向ける。
不貞腐れるその表情に俺は口を開いた。