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「罪を擦り付けるようなお前に拒否る権利はねぇし」
「お前も吸ってただろ」
「だからほぼお前じゃねーかよ。一番の主役が捕まってねーのおかしいだろ。よりによって俺なんかプリント挙句、テストまでしてきたのによ」
「おー、あの日。学校行ってたのってそれ?」
「そーだって。マジ最悪。あれ?ダイはしてねーの?」
「した。みっちりしごかれて特別室で勉強させられた」
「うわっ、俺以上に最悪だな」
そんな俺らの会話にケラケラ笑ってるテツの頭を俺は一発殴る。
「いってーなっ、」
「俺らはお前の名前を出さずに逃してやったんだぜ。礼くらいしろよ」
「俺、金ねーし。お前らの分まで払ったら金欠だわ」
「つかお前、海の家でバイトすんだからいーだろ」
ダイがそう言ってすぐ、「へい、おまち」おっさんの声とともにラーメンが置かれた。
「おー、そうだ、そうだ。透哉もこねぇ?」
「いや、俺はいいわ」
「は?なんで?可愛いねぇちゃん居るぞ」
「お前はそれが目的かよ」
「お前が来るちょい前に、オサム居たよ。行くっつってたから晴馬先輩も誘おうかなって」
「ま、晴馬先輩は行くだろーな。ダイは?」
「あ、俺?いかねーよ多分」
「コイツさぁ女出来たからそっち優先だって」
「は?女?」
「そう。だからやめとくわ」
嬉しそうに言うダイに、何惚気てんだお前。と思いながら俺は「ふーん…」とラーメンを啜った。