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「で、お前は何で来ねーんだよ」
食べ終わったテツは水を含みながら俺に視線を向ける。
「そー言う気分じゃねーし」
「なにそれ。やっぱ女でも出来た?」
「出来ねーし」
「ほら、さっきおっさんが言ってたろ」
「もうそれはいいから。何もねーし」
「だったら来いよ。忙しくて人たりてねーし。誰でもいいから手伝ってくれるのなら大歓迎。知ってる女でもいいぞ」
「そんな女いねーわ」
絶対いねーだろ。
頭の中で探してみたものの誰一人いない。
イチカとか理実とか頭に浮かんだものの、絶対来たら余計にややこしくなるに違いない。
「ま、どうしてもって頼んだら来いよ」
「は?なんでそんな強制的なわけ?」
「仕方ねーじゃん。出来るだけ人集めてんだから」
「あぁ、そう。だったらダイ、女と行けばいいんじゃね?」
その俺の言葉にダイは軽く首を振った。
「だってアイツそー言うタイプじゃねーもん」
「こいつのな女は要するにお嬢様なわけ」
「はぁ!?」
思わずテツの言葉に俺は声を上げ、むしろ食べてたラーメンを吐き出しそうになった。
「ヤバくね?お嬢様だぞ」
「マジで言ってんのかよ」
「そう。もうほんとお嬢様。しかも可愛いい」
「へー…なんかあれだな。お前みたいな奴、選ぶって相当変わった奴だな」
「は?んな事ねーし」
「いや、だってお嬢様なら普通、停学男なんか選ばねーだろ」
「それは俺のテクで落ちたんじゃね?」
「はいはい、どーでもいいわ」
浮かれに浮かれまくってるダイを適当にあしらい、俺はラーメンを完食した。