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今からどんなものか海の家を見に行くと言うテツとダイと別れた後、俺はおっさんの犬に会いに行った。
誰も居ないその場所からワンワンと鳴いて駆け寄って来る犬に俺は両手で顔を擦る。
「お前、飯食ったのか?」
「ワン」
俺の言葉に反応するかのように吠える犬に思わず笑みを作る。
だけどクゥーンと小さな声を出し辺りを見渡してた犬に、
「今日はいねーよ」
芹奈先輩の事だろうか、俺はそう言った。
もうしばらくは会う事すらないだろう。
むしろ夏休み中は会う事はなさそうだ。
晴馬先輩に聞けば分かるんだろうけど、そこまでして会って話すほどの関係でも何もない。
なのにここに居ると昨日の事が蘇り、コイツを可愛がるようにして撫でる芹奈先輩の笑顔が頭から離れない。
きっとここに来るたびに思い出してしまうんだろう。
夏休みに入り、特にいって何もなかった。
ダチと遊んで屯って、毎日そんな日を繰り返し、結局テツが言ってた海の家を数日間手伝わされたりと言ったかんじだった。