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「あー…さっきの奴って晴馬先輩とすげぇ喧嘩して晴馬先輩が入院送りにした奴じゃん」

「あー…なんかそんな事あったよな。一年前?原因なんだったけ?」

「自分が犯した罪を晴馬先輩に擦り付けたんだろ。元々、仲悪かったし。それにアイツらの集団、ロクな奴いねーし」

「あ、そう言えばアイツ。中3の時、晴馬先輩と透哉間違えた奴じゃね?」



ハッとオサムが振り返って俺を見た瞬間、「あ、」と思い出した。

後ろを振り返ると、もう既にそいつは居なく。

どうりで見た事のある顔だと思った。


「そーそー、アイツ。それに今、アイツのツレお前んとこの学校の芹奈先輩だっけ?あの人の事狙ってるだろ」

「…は?」


思わず声を出したのは俺だった。

狙ってるって、何が?


「あー…あのあれ。同じバイトらしい。この前、ダイが揉め合ってる所みたっつってた」

「え、マジ?」


オサムの声が思ったより大きく辺りを反響した。


「え、だってあの先輩オーラすげぇから見てすぐわかんだろ。あー…たしか男もお前らと同じ学校だったと思う」

「って事は3年だな。おい、透哉。芹奈先輩とどーなってんの?」

「え、何?透哉お前、あの先輩と出来てんの?」

「…そんなんじゃねーし」



誰だ、そいつ。

今の俺の頭の中はそればかりで、揉め合ってたと言う言葉に引っかかる。

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