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「俺よりお前の方が知ってんだろ」
「あのな、俺イコール芹奈じゃねぇからな。周りはくだらねー事、言ってっけど、俺マジあいつの事しらねーし」
「……」
「むしろアイツがバイトしてた事すら知んなかったわ」
「……」
なぜ芹奈先輩はバイトの迎えを晴馬先輩に頼んでるのだろうか。
そこが一番俺の中で気になるところで。
「お前も吸う?」
不意に差し出された箱に、「いや、」と小さく呟き珈琲を口に含む。
「あれ?珍しい。辞めた?」
「そんなんじゃねーけど」
「ふーん…」
「なぁ、芹奈先輩のバイト先に居る奴って誰か知ってる?」
「は?知らねーし。だから俺、迎え頼まれた時にアイツがバイトしてるって知ったんだから、働いてる奴の事まで知んねーし」
″なんで?″付け加えるかのように言葉を出し、晴馬先輩はタバコを咥え煙を吸う。
「いや、何もねぇけど…」
「それよか俺さ、ここ一週間ほぼ芹奈迎えに行ってるわけよ。夏休みだからって詰め込んでっからほぼ毎日だし。俺も迎え行くほど暇じゃねーっての」
「……」
「誰か代わりに来さそうかと思ったけど、俺以外無理とか言うし。マジわけわかんねぇわ」
「で、俺にどうしろって?」
「なんかあるわ、アイツ」
「で?」
「オチなんかなんもねーわ」
「だったら言うなよ」
だからって俺にどうしろって?
むしろあの日以来、俺にとったら物凄く会いずれぇしな。