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「成瀬君ごめんね。イチカ連れてくから」

「あー!!ちょっと!!今大事なとこなの!!」


2人の友達に引っ張られながら行く姿に俺は苦笑いをする。


「イチカの事よろしく」

「うん、ごめんね。ほらイチカ行くよ。もうすぐ花火だから」


ギャーと言うイチカの悲鳴に晴馬先輩はケラケラと声を上げる。


「つかイチカちゃんってマジおもろくね?」

「おろしろくねーよ」

「一緒に居て飽きなさそう」

「いや。うるさくて飽きるわ」

「で?お前は実際、芹奈の事どー思ってんだよ」


再び新しいタバコに火を点けた晴馬先輩は、フーっと空を仰いで煙を吐き出した。


「別にどーも思ってねぇよ」

「ふーん…ま、そう言うと思ったけど。――あ、花火」


その言葉に俺は視線を上げる。

目の前に大きく輝く花火に目を奪われてしまった。

その花火の音と交じって隣から聞こえてきたのは晴馬先輩の着信音で、話す先輩の横で俺は花火を見上げてた。


「なぁ、透哉?迎え行ってくんね?」

「迎え?」


切り終わった晴馬先輩に視線を向けると「そう。芹奈の」そう言って、スマホの画面を見せた。

そこには芹奈先輩からのLINEで、

″ごめん晴馬。迎えに来てほしい″

そう書かれてある。







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