T I R O L
「柚ー!ミルクプリン売り切れ!」
入ってくるなり
あたしに向かって叫ぶ。
「そんなおっきい声出さんでも聞こえるっちゅーの!」
あたしが文句を返すと、
伸也はあたしのとこまで来て
何かを差し出した。
「だから、コレで許して。」
伸也が 買ってきたのは
「チョコプリン?」
「おう、俺のオススメ。やばいから!食ってみ。…あ、千田おはよー。」
満面の笑みで
"チョコプリン"を語った後
最後に チラリと
ちゃこを見て 伸也が言った。
「あんた、ふざけてんの?もう昼だっつーの!」
「軽ーい冗談やってなー。…あれ、怒ってる!? 俺なんかしたべ!?」
「朝あんだけシカトかましといて よく言うわ。」
ちゃこが喧嘩腰でそう言い返すと、
伸也は驚いたように
「あ? 朝?」
と言った。