T I R O L
「まあ、早くしないと昼休み終わるしー。食べよ!」
あたしは
ちゃこをなだめる。
「おう!それ まーじで旨いからな!!」
さっきまでのことなんて
お構いなしに
さっき買ってきたパンを
かじりながら
伸也が言う。
「それもチョコパン?あんたほっんとチョコ好きだよねー。」
ちょっと機嫌を直したちゃこが
呆れたように言う。
「やって旨いべ? 千田も チョコ食えやあー。甘いもん食ったら カリカリしすぎ ちょっとはマシになるかも。 なあ、柚?」
いや、そこで
あたしに振らないでよ。
「バッカじゃないの。てか あたしカリカリしてないしー してるとしたら原因はアンタでしょーが。」
「あれ、そぉなん?」
こいつ
まじで 自由人…。
鈍感なのか 天然なのか。
『柚希 まじで なんでこんな奴好きなの!?』
耳打ちしてきた ちゃこに
あたしは 苦笑いを返した。