最恐ドクターの手懐けかた





喧嘩売るべきなのだろう。

今は遠藤先生に日頃の恨みを晴らすチャンス、やっと巡ってきた逆転チャンスなのに。

それでも……落ち込む遠藤先生にかける言葉が見つからない私は……

白衣に包まれたそのすらっと背の高い身体を……そっと抱きしめていた。





「おい、冴木!?」




遠藤先生の焦る声が聞こえる。

一瞬、その身体が強張った。

だが、すぐにだらーんとなって私にもたれかかる。



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