最恐ドクターの手懐けかた
「お前、優しいよな……」
遠藤先生は私の頭に顎を乗せ、ぐーっと体重をかける。
頭が痛くて思わずそれを振り払い上を見ると、遠藤先生のアーモンド型の瞳と視線がぶつかる。
あー、この人、こんなに綺麗な顔していたんだ。
不覚にも、その顔に見惚れてしまった。
「ありがとな、冴木」
初めて見るその笑顔に、胸がきゅんと音を立てた。
この人鬼のはずなのに、こんな風に笑うんだ。
その笑顔に見惚れてしまう。
そのまま、遠藤先生の顔が近付き……ーーーー
はっと我に返った。