最恐ドクターの手懐けかた
私の勢いに、鬼の遠藤先生は負けた。
それはもう、ぽっきりと。
私に背を向けて、自販機の後ろから何やらノートを取り出す。
そして、しゃがみこんでそれに何かを書き殴っていた。
変な人……
そう思いながらも……胸の奥がまだ、ドキドキする。
さっきのあれは、何?
なんで顔が近付いたの?
私の鼻毛出てたのかな?
臭いってこと、試したかったのかな?
……キス、なんてこと、あるわけないよね。
冷静に冷静にと言い聞かせるが、胸がざわざわして仕方がない。
私、どうしてしまったんだろう。