最恐ドクターの手懐けかた
「うわー……」
後ろから聞こえる優奈ちゃんの声は、遠藤先生ではなく私に向けられているのだろう。
いつの間にか、私に対してすっかり弱くなってしまった遠藤先生は
「調子に乗って悪かった」
静かに言う。
落ち着いているがどこか悲しげなその声が、私の胸を抉る。
傷つけた後に、はっきりと自覚した。
どう言い訳しても、やっぱり気持ちは戻ってきてしまう。
私は、遠藤先生が好きだ。
メニュー