最恐ドクターの手懐けかた





遠藤先生は、私をじっと見て、どこか遠慮がちに告げた。




「なぁ、冴木。

……勤務後メシ行かね?」






メシ?

……メシ!?

それって、ランチのことだよね!?





前回ランチに行った時は、一刻も早く帰りたかった。

遠藤先生なんて大嫌いだった。

でも今日は……遠藤先生とランチに行きたい。

一緒にいたい。

不覚にも、そう思ってしまうのだった。




「ケーキが美味しいお店がいいです」




そう言った私を……彼は嬉しそうに目を細めて見る。

そんな遠藤先生に、胸のきゅんきゅんが止まらない。



遠藤先生が大好きだ。

性格が悪くて服のセンスも悪くて変態なのに、どうしようもないくらい好きなんだ。



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