最恐ドクターの手懐けかた
Case.8 愚かな私を笑ってください
勤務を終え、病院近くのコンビニで遠藤先生と待ち合わせる。
どうせ予想以上のド派手な服を着ているから、遠藤先生はすぐに見つかるだろうと思った。
だが、コンビニを二周しても見つからず、彼はまだ来ていないのだと解釈した私は、ファッション誌を取り上げた。
そんな私に、
「てめえ、ヨユーだな」
低い声が聞こえる。
その声に飛び上がり、慌てて顔を上げた先にいたのは……
なんと普通の服を着た遠藤先生だったのだ。
グレーのカーディガンの下は、落ち着いた白いTシャツ。
そして、ごく普通のジーンズだ。