最恐ドクターの手懐けかた
「一昨日いとこの家に泊まってしまったから、いとこの服借りてんだ。
あいつチビだから服がキツイし、地味すぎじゃね?
もっとこう……髑髏とか薔薇とか……」
あー、やっぱり駄目だ。
偶然だったのね。
偶然、あっちの男優だといういとこに借りてしまったのね。
「遠藤先生、そっちのほうがいいです」
ため息混じりに告げたが、
「はぁ!?」
彼は相変わらずお怒り中だ。
「ふざけんな!
こんな地味な服いらねぇよ!!」
なんて怒っているから、もう何も言わないことにした。
遠藤先生に何を言っても無駄だろう。
頭が麻痺しているのだろう。
遠藤先生に普通の服を着てもらうことは期待しないでおこう。
むしろ、これからはジャージで来てもらおう。
そう心に決めたのだった。