最恐ドクターの手懐けかた





「一昨日いとこの家に泊まってしまったから、いとこの服借りてんだ。

あいつチビだから服がキツイし、地味すぎじゃね?

もっとこう……髑髏とか薔薇とか……」





あー、やっぱり駄目だ。

偶然だったのね。

偶然、あっちの男優だといういとこに借りてしまったのね。






「遠藤先生、そっちのほうがいいです」



ため息混じりに告げたが、



「はぁ!?」



彼は相変わらずお怒り中だ。




「ふざけんな!

こんな地味な服いらねぇよ!!」



なんて怒っているから、もう何も言わないことにした。





遠藤先生に何を言っても無駄だろう。

頭が麻痺しているのだろう。

遠藤先生に普通の服を着てもらうことは期待しないでおこう。

むしろ、これからはジャージで来てもらおう。

そう心に決めたのだった。


< 191 / 273 >

この作品をシェア

pagetop