最恐ドクターの手懐けかた





「行くぞ」




そう歩き出す彼について行くのだが……




「あれ?

今日は悪趣味なランボルギーニではないんですね」




思わず言ってしまった。

すると、彼はジロリと私を睨む。




「悪趣味とはなんだ」



「すみません……つい口が滑って」




わざとらしく口を押さえた。

そんな私を見て、諦めたのか彼が激怒することはなかった。

ただ、面倒そうに教えてくれる。




「いとこの家にいたからな」





あー、そっか。

男優のイチゴミルクマンの家にいたのか。

もしかして、また変な動画撮っていたのかな?

はやく公開されないかな。




昨日の裸スノーボードを思い出して笑う私を見て、



「なんだてめぇ」



心底嫌そうに顔を歪める遠藤先生。

だから、なんでもないですと言っておいた。


< 192 / 273 >

この作品をシェア

pagetop