最恐ドクターの手懐けかた
「行くぞ」
そう歩き出す彼について行くのだが……
「あれ?
今日は悪趣味なランボルギーニではないんですね」
思わず言ってしまった。
すると、彼はジロリと私を睨む。
「悪趣味とはなんだ」
「すみません……つい口が滑って」
わざとらしく口を押さえた。
そんな私を見て、諦めたのか彼が激怒することはなかった。
ただ、面倒そうに教えてくれる。
「いとこの家にいたからな」
あー、そっか。
男優のイチゴミルクマンの家にいたのか。
もしかして、また変な動画撮っていたのかな?
はやく公開されないかな。
昨日の裸スノーボードを思い出して笑う私を見て、
「なんだてめぇ」
心底嫌そうに顔を歪める遠藤先生。
だから、なんでもないですと言っておいた。