最恐ドクターの手懐けかた
数杯酒を飲んだ私は、世界が回り始めていた。
目が虚になって、遠藤先生しか見えなくなる。
そんな私に、
「冴木、ヤバイだろ。
もう帰るぞ」
遠藤先生は困った顔で言う。
そんな遠藤先生も顔が微かに赤い。
その紅潮した頰に……思わず手を伸ばしていた。
ビクッと身を引く遠藤先生。
その反応に軽いショックを受ける。
だけど、アルコールによって頭が麻痺した私は強かった。
「先生と……離れたくないです」