最恐ドクターの手懐けかた
慌てて紙を広げ、グラフを確認する。
遠藤先生の言う通り……後半、一見分からないほどの微かな徐脈が確認された。
これくらい、大丈夫なのではないか……そう思ってしまったのが最後、遠藤先生は激しい怒りを私にぶつける。
「赤井さんは胎児も小さめで、羊水も少ない。
一般的な妊婦と一緒にしてはいけねぇ。
だいいち、遅発性徐脈は危険だろ!?
……てめぇ、何年助産師やってんだ!!」
泣きそうな顔で突っ立つ私を残して、遠藤先生は急いでナースステーションから出て行ってしまった。