最恐ドクターの手懐けかた
遠藤先生が好きだ。
付き合えたらどんなに幸せかと思うほど、惚れていた。
でも、一方通行の関係なんて寂しすぎる。
私は彼をしっかり見て告げる。
「なかったことにしましょう」
「はぁ?」
遠藤先生の顔が歪むのが分かった。
そうか、都合のいい女がいなくなるから怒り心頭なんだ。
だけど、負けない。
遠藤先生の弱みを握っている私は、遠藤先生より強いのだから!
「みんなに言ったら、漢マンのことバラしますよ」
「おい……」
「私も今後気をつけますから」
そう言って、ベッドの下に散らばる服を身につけて、転がるようにマンションを出た。