最恐ドクターの手懐けかた
遠藤先生に会いたくない。
仕事を辞めてしまいたい。
だけど、退職なんてすぐに出来る訳でもないし、時間は嫌でも過ぎていく。
そしていつの間にか一日が終わり、とうとう仕事の日の朝を迎えた。
いつものように服を着替え、朝食を食べ、化粧を済ませる。
その間にも頭の中で必死にシュミレーションした。
「おはようございます」
いつも通り挨拶をして、漢マンを見て笑っている大塚先生には、
「漢マン、キモいですよね」
だ。
優奈ちゃんが何か言ってきたら、
「遠藤先生とは何もないよ」
そして彼に会ったら……
「お疲れ様です」
そう、横を素通りするのだ。