最恐ドクターの手懐けかた





落ち込む私に、



「今日は忙しいから頼むぞ」



そう言い放って、ナースステーションから出て行ってしまった。

そんな遠藤先生を見ながら……私の震えはまだ止まらなかった。

だって、遠藤先生は驚くほど普通だから。

私はこんなに動揺しているのに、彼は何事もなかったかのようにしているから。

きっと、本当に私に気がないからだろう。

あー、都合のいい女逃した、くらいに思っているのだろう。


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