最恐ドクターの手懐けかた
助産師として働く私は、たくさんの赤ちゃんの生死を目の当たりにしてきた。
それとともに、たくさんの母親の涙も見てきた。
赤ちゃんを諦めなければいかない母親は、必ず震えて泣いていた。
そして、生まれてきた赤ちゃんを大切に抱きしめ、ともに病院を去って行ったのだ。
私が子供を産む時は、この人たちのぶんまで幸せになろうと決めていた。
命の大切さを知っているから、大切に出来ると信じていた。
そんな私の選択肢はただ一つ、「未婚の母」だ。