最恐ドクターの手懐けかた





自動販売機の下の汚れたノートを広げる。



『遠藤の。見たらぶっ殺す』



表紙にそう書かれている五線譜ノートには、びっしりとふざけた曲が書き殴ってある。

それを見て、再び涙が溢れた。

そして、何も書かれていない最後のページに小さく書いた。





『ありがとうございました』



私の手は、ぶるぶると震えていた。

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