最恐ドクターの手懐けかた
やばい、号泣してしまいそうだ。
遠藤先生のことが好き、そして赤ちゃんだっている。
それなのに、一緒になることは出来ないから。
しばらく沈黙が襲った。
「行くなよ」とか「ここにいろ」なんて言葉を期待していたのかもしれない。
だけど、
「そうか」
彼は静かに告げた。
「俺はお前を応援している」
何それ……
優しいつもりでも、一番酷い言葉じゃん。
やっぱり遠藤先生は、私がいなくても痛くも痒くもないんだ。
あの酔っ払った日の出来事は、本当に出来心だったんだ。
白く干からびたコンクリートの床に、ぽたぽたと涙が落ちた。