最恐ドクターの手懐けかた
「大丈夫か!?」
隣で遠藤先生がイラついた声を上げる。
だから、早くしないといけないと必死にモニターを動かしたが状況は変わらない。
嫌な予感が押し寄せてくる。
このとくんとくんとゆっくり脈打つのは、母親の心拍ではなくて……
考えた瞬間、ぞっと血の気が引いた。
「先生!!
胎児の心拍が落ちているかもしれません!!」
それで、慌ててベッドを移動させ、超音波で確認する。
画面を見る遠藤先生の顔が青ざめた。
そして、震える声で告げる。
「早剥だ……」