最恐ドクターの手懐けかた
「ど……どうしたの?」
恐る恐る、近くにいた優奈ちゃんに聞いた私の声は震えていた。
優奈ちゃんは、目の端に涙を溜めて私を見る。
「見ての通りですよ。
冴木さんのおかげで、病棟は漢マンにハマりにハマっています!!」
それは良かった……はずがない!
だって、漢マンは……遠藤先生だから!!
なんてこと、言えるはずもない。
きっと、これを知った遠藤先生は激怒するだろう。
そして、私を半殺しにするだろう。
今日、遠藤先生は……
ちらりと勤務表を見る。
幸いなことに、休みだろうか。
……いや、当直!!?