最恐ドクターの手懐けかた
「頸管無力症の発見は難しいし、気付いた時には手遅れなことも多い。
でも……無謀かもしれないけど、俺はそんな思いをする人を増やしたくねぇんだ!」
私は俯いていた。
涙ぐんだこの目を見られるのが嫌だったからだ。
でも……きっと、私の前に座る遠藤先生も、涙ぐんでいたに違いない。
遠藤先生が暴言を吐きまくることにも、訳があったのかもしれない。
気を緩めるなと、みんなを叱っていたのかもしれない。