最恐ドクターの手懐けかた
「すみませんでした」
俯いたまま震える声で謝った。
「私……遠藤先生のことを誤解していたのかも……」
私が思うよりもずっと、遠藤先生は優しい先生なのだろう。
誰よりも患者様のことを考えている先生なのだろう。
「まぁ、てめぇらが俺を蛆虫毛虫のように嫌っているのは知っていた」
「うわっ、バレていたんですね!?」
口が滑った私を、遠藤先生が殺意を込めて睨む。
だけどその般若の顔すら胸にグッとくるのは何でだろう。
口にしたフォアグラは、苦い苦い味がした。