世界が色を失ってから
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ジリリリリリ

ジリリリリリ

ジリリリリリッ

聞き慣れた音で目を覚まし、目覚まし時計を止める。

メールのチェックのために開いた携帯のディスプレイには12月9日が表示されていて、メールが1通。

“樹”

“起きた?遅れるなよ?”


大学に提出物があるらしく朝から大学に行ってから待ち合わせに行くらしい樹からのメールは10分前に来ていた。

“起きたよ!遅れないし!”

と、返事を送って朝ごはんを食べるためにベッドを出てキッチンに立つ。

買っておいた食パンを焼いている間にお湯を沸かしカフェオレを入れる。

トーストとカフェオレを持ってテーブルにつき、テレビをつける。

食パンにチョコレートソースを塗って

「いただきます」

『12月9日金曜日、午前8時を回りました。
今日は市内で雪が降っています。外出の際は足元にお気をつけください。』


雪にはしゃぎカーテンを開けるとハラハラと雪が、


「綺麗」

希咲は感動の声を漏らす。

トーストを食べ終わると、洗面台に向かい歯磨きなどを済ませる。

ニットのワンピースを着て、メイクを始める

いつもより念入りに鏡でチェック。


ネックレスを身につけ、彼女の支度は整ったようだ。


「よしっ!」



と呟くと、テレビを消して家を出た。




午前9時。



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