世界が色を失ってから
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12月6日

幼い頃の私たちが写る懐かしいアルバムを見つけた。


ページを一枚一枚めくるたびに少しずつ大きくなっていく、私と樹。


小さい頃は私の方が背も大きくて、誕生日が少し早いからってお姉さんぶって、いつも樹と一緒にいた。


樹のおもちゃを取って泣かせた時の写真。

一緒に苺を食べている写真。

水族館に行ってイルカショーを見ている写真。

保育園の前で二人でピースしている写真。


今となってはほとんど思い出にないこともこうやってアルバムを見るとその頃の幼い気持ちを思い出す。


ずっとずっと
樹と一緒にいれると思っていた。


アルバムをめくり終わって、押入れに入っている宝箱のふたを開ける。


いつか貰ったお菓子の箱に、
小学生の頃“たからばこ”とひらがなで書いただけのもの。

宝箱の中に入っているのは、押し花、誰からか貰った外国のお金、受験の時に付けていた御守り、そして手紙。


束になった手紙を一つ一つ見ていく。


樹がくれた手紙も何通かある。


その中に一つ、“未来の希咲へ”と書かれた手紙がある。


裏には“16歳の希咲より”と私の字が


私の好きなパステルカラーの花柄があしらわれた便箋には五年前の私のキラキラした言葉たちがあった。


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