無糖ミルクティ
見たことのない、綺麗な男の子。
さらりと避けた前髪から覗く、少し目尻の下がった瞳が私をとらえた。
…何、これ。
鼻筋はスッと細く通とおり、小ぶりの唇は整った形をしていて。
首筋にあるほくろが色っぽく、深い黒髪がとてつもなく似合っている。
雰囲気がある。とは、まさにこの人物のことだ。
ばっちり交わる視線を、私は思わずそらした。
何、この感覚。
いきなりジェットコースターの一番高いところまで連れて行かれて、状況を飲み込めないまま突き落とされて、そのまま急降下して。
そのくらい心臓がぐちゃぐちゃになった。