無糖ミルクティ


私が大暴れしている心臓と戦っている間にその美少年は自分の座席へ向かった。



「かっこいいね」



ドキッ。
思っていることが口から漏れたのか思って我に返り、勢いよく風香の方を向く。その言葉は彼女が発したものだった。


落ち着き始めた心拍数がまた加速し始めたのは焦りからなのか。
と、誰より食いついたのは大地だった。



「えっ今の…内藤日向じゃね?」

「何あんた知り合いなの?」

「知り合いっていうか…去年バスケの大会で見て、あいつ手元が超うまくて!一方的に俺が知ってるだけ!」

「こわ!」

「やばい、喋りてぇ…ちょっといってくるわ!」

「ちょ、大地!…もう行っちゃった。」



そんな会話がぼんやり聞こえてきたけれど、私は会話に混ざるとかそれどころではなかった。



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