無糖ミルクティ
かっこいいからこんなにドキドキするの?
いや、それなら大地だって女子に騒がれてるし…見慣れてしまっただけかな?
でも、初めて会った時もこんな風にはならなかったよね。
好みのタイプ、とかそういうことも考えたことがないけど、そういうことなのかな?
内藤くんが私のタイプど真ん中、だったとか?
彼が横にいると意識してはいけない!何回言い聞かせても心は言うことを聞いてくれない。
落ち着け!という私の命令を無視して、強く強く脈を打ち付ける。
呼吸が苦しい。
頬が熱い。
どうしちゃったんだろう私。
大地のように明るく話しかけることができたら、なんて。
そんなことできるはずもなく高校生活初日は終わりを迎えた。
「羽奈、ばいばい!あと、日向も!」
大地がこちらに言葉を投げると、隣の内藤くんはさらに目尻を下げて優しく笑った。
「ばいばい」
想像通りの優しくて甘い声。それは私に向けられた言葉じゃないのに。
心臓がまた速度を上げた。