彼のカノジョさん

「誤解させたくないくらい大事なコって宣言するくらいなんですもん。本当に大切にしてらっしゃるんですね」
「......」
「うらやましいです。真崎のカノジョさんが。ホントに、うらやましい、です...」


私も愛されたかったな。真崎さんに。
優しい笑顔で見つめてもらって、優しく抱き締めてもらって。
優しい愛で包んでもらいたかったな。


心の奥底でずっとずっと想い続けていた願いごと。どうしたら消すことができる？
真崎さんが結婚してしまえば消える？
そんな自信はない。
いっそのことこの想いを伝え玉砕してしまえばいいのかもしれない。


そんな答えにたどり着いた私は意を決して顔をあげ真崎さんと向かい合った。


「あの！あの、真崎さん！私...」
「じゃあ、なる？」
「...へっ？」


真面目な顔をしていた真崎さんは、フッと力を抜いたように笑った。