彼のカノジョさん
「でもさ、真崎さんの『カノジョ』社内の人かもね?」
「えっ?」
「だってそうでしょ?誤解させたくないから。っていうのは誘われ一緒に食事行くのを見られたくないんじゃないの?」


そういう見方もあるのか。


「ただ単に心配かけさせたくないんだろうなって思ってた。」
「あぁ、それもあるわね。真崎さんの恋人が社内にいるなんて聞いたことないしね。いたらそりゃ大騒ぎでしょ」


確かにそうだ。ただでさえ有名人の真崎さん。すぐに噂になってしまうのだから、社内恋愛などしていたら女性社員たちは仕事にならないだろう。


「でもさ、真崎さんってそんなにイケメン?」
「えっ?素敵でしょ?」
「うーん、そう思ったこと一度もない」


真崎さんは社内じゃモテモテだから、イケメンだと思わない人がいるとは考えていなかった。


「ちなみに千華さんの思うイケメンは?」
「豪徳寺篤宏」
「誰それ?」
「アニメのキャラクター。めちゃくちゃカッコいい」


千華、人の恋愛バカにしてる場合じゃないよ。


またその言葉は飲み込んだ。
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