私は恋を知らない、はずだった
二藤先輩は、私を見て一瞬固まり、すぐに柳瀬先輩の方を見て、
「よう、柳瀬。何してんの?」
「え、二藤が気にするような事じゃないよー。」
「はは、なんだそりゃ。」
二藤先輩は私の方を見て、私の身長に合わせるように少し屈んで、
「し、白咲は何してんのか教えてくれる…?」
と、言ったので、私は柳瀬先輩の方をチラ見し、
二藤先輩から話しかけてもらえたのが嬉しかったのか、
顔が穏やかだったので話すことにした。
って、屈むって、遠回しにチビって言いたいんですかね?
まるで怖くないよ〜と子どもに示してるような接し方だ!
「柳瀬先輩とお話しするんです。柳瀬先輩、優しいからどんな私のくだらない話でも笑ってくれるんですよ〜。」
初めて会うし、話したこともない。
柳瀬先輩のために、二藤先輩の柳瀬先輩の好感度を上げるようなことを言ってあげた。もちろん嘘ついちゃったことになるのだけど。
柳瀬先輩は、ちょっと驚いた顔と複雑そうな顔をしていた。
まずったかな?
それに対し二藤先輩は、