私は恋を知らない、はずだった
「んー。」
「アヤの弟も、うちの高校なんだってさ。悠斗、仲良くしてよ?」
「はいはい。」
悠斗が可愛くないので、頬を膨らませていると、後ろから優しく頬をつつかれた。
「おはよ。メグ、悠斗。」
「おはよ!瑠斗兄!」
「瑠斗兄、はよ。」
瑠斗兄とは、我が家の長男。一番私の門限にうるさくて、いわゆるシスコン。そして、ブラコンでもある。
瑠斗兄は、高校3年生。
柳瀬先輩と、アヤのお兄さんと、同じクラスなんだ。
ていうか、高3の男なんだから、バイトして、一人暮らしすればいいのにって思う。
門限にうるさい人がいなくなると、嬉しいなー、なんて。
「あら、瑠斗。朝ご飯できてるわよ。どこ行ってたの?」
「ちょっとそこら辺走ってた。朝ご飯ありがと。」
瑠斗兄の席は、私の隣。その瑠斗兄の隣が、悠斗。