私は恋を知らない、はずだった
「そういえば、走ってくるついでに、プリン買ってきたんだ。メグ、悠斗、食べる?」
「「もちろん。」」
私と悠斗は、かなり食い気味に同時で答え、瑠斗兄は笑っていた。
悠斗が瑠斗兄を見ながら少しニヤつき、
「瑠斗兄、そういえばさ、一人暮らししないのー?実家だと、女連れ込めないよ?女連れ込みたいって思った時、どうしてんの?」
と聞いた。私もお母さんもいるんだけどな…。
そういう話は二人でしてほしいな…。
しかも朝から何を話して…。ま、いいか。
瑠斗兄の方を見ると、飲んでいたお茶を吹き出しそうになっていたところだった。
「それ、私も気になってたなー。おうちでイチャイチャ〜とか女の子は好きだと思うよ!」
私がそう発言すると、お母さんも、悠斗も、瑠斗兄も、驚いたような顔で私を見ている。
「な、なに?」
「芽美って、恋愛興味あったの…?」
「メグ、彼氏でもできた…?」
「メグ姉、彼氏の家行ったことあるの?やば」
「彼氏いたことないけどね?」
「よかった、メグは彼氏なんて作らなくていいよ。お兄ちゃんと結婚しようね」
「はあ。もう家族と恋バナとかしたくない、やめよ!」
「ちょっと遅いけどお赤飯炊かなきゃ!今日の夕飯、お赤飯ね!一人娘が恋愛に興味を持ち始めた!」
「ねえ、メグ姉、男の家行ったの?ねえ。」
もう、家族の前でちょっとでも恋愛に繋がる話はしない。